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沖縄県に残る旧正月の文化と旧暦由来の年中行事を徹底解説!

中国との交易で栄えた琉球王朝をはじめ、独特の歴史と文化を育んできた沖縄。現在も五穀豊穣や豊漁を祈願する祭りや、先祖の供養を行う儀式など古くから伝えられてきた様々な年中行事が大切に行われています。

そのほとんどが旧暦に沿って行われ、エイサーやハーリー、ジュウルクニチー、タンカユーエーなど行事の呼び名も沖縄方言が使われるため、どこか神秘的なものに感じられます。

そこで今回は、旧正月をはじめ、本土とは違う沖縄ならではの年中行事について詳しくご紹介します。

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旧正月っていったい何?

糸満旧正月

出典:糸満市より写真提供

旧正月

旧正月(きゅうしょうがつ)とは、旧暦(=太陰暦)のお正月のこと。日本では、1872年(明治5年)に、それまでの太陰暦にかわり太陽暦を採用したため、太陰暦のことを旧暦とも呼ぶようになりました。

太陰暦とは、月の満ち欠け(周期29.5日)を基準にしたもの。例えば、旧正月は、現在の暦=太陽暦でいうと、1月20日~2月20日頃にあたり、その年によって日付が変わります。2017年の旧正月は1月28日でしたか、2018年の旧正月は2月16日になります。

中国と沖縄の旧正月の違い

旧正月の祝い方の違いを中国と沖縄で比べてみましょう。

中国の旧正月は春節と呼ばれ、7日間ほど春節休暇になります。昔は春節休暇には、故郷に帰省して家族と年を越して過ごしていましたが、現在では、故郷に帰らず、中国の国内旅行や日本などの海外旅行を楽しむ人たちが増えています。

広い国土の中国なので、地域によって春節に食べる料理も異なります。例えば、首都北京などの中国北部では、正月の食事といえば水餃子。大晦日から家族が集まって餃子を作り、“年越し餃子”を味わった後、春節から5日間かけて餃子を食べるという風習があります。

一方、お米を主食としている中国南部では、水餃子でなく、湯圓(タンユエン)と呼ばれる、餡やゴマ、ピーナッツなどの具を入れた白玉団子のスープがお正月に欠かせない料理です。

独自の文化を育んできた沖縄では、中国ほど大々的に旧正月は祝いませんが、漁港などの一部の地域で、旧正月を祝う風習が今も残っています。

旧正月が近づくと、数はそれほど多くありませんが、店頭には、炭を昆布で巻いた飾りや正月用の商品が並ぶほか、正月飾りや盃を備える家庭もあります。

本島では一部のみ旧正月で祝う

沖縄では、旧正月をソーグヮチと言います。沖縄が本土に復帰する以前、琉球政府によって新正月化(太陽暦の正月)が進んだため、現在の沖縄では新正月が主流となってはいます。

しかし、糸満市などの漁業が盛んな地域では、旧正月の伝統が現在も残り、旧正月の元旦、漁港では早朝から縁起物の大漁旗を掲げ、家庭では御馳走を用意して旧正月を祝います。

もう一つの正月「十六日祭(ジュウルクニチー)」

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十六日祭

沖縄には、太陽暦の正月=新正月、太陰暦の正月=旧正月(ソーグヮチ)のほかに、もうひとつお正月があります。

それは、旧暦1月16日の「十六日祭(ジュウルクニチー)」。あの世という意味の「後生(グショウもしくはグソウ)の正月」とも呼ばれ、盛大に先祖供養を行います。

十六日祭が盛んな地域

特に、十六日祭が盛んに行われているのは、沖縄本島北部地域、八重山・宮古など。お盆のように親戚一同が先祖のお墓に集まります。

中でも八重山や宮古では、十六日祭の日は、小・中・高校は午前中で授業が終わり、午後から墓参りをします。お正月に帰郷できない人も、この十六日祭だけは 何があっても参加するというとても大切な日になっています。

墓前では、三線を奏でながら、各自で持ち寄った御馳走を食べて、祖先の霊を供養します。

旧正月と十六日祭で出る料理

沖縄では、お正月より、「(生年祝い=トゥシビー)」や、清明祭・豊年祭・旧盆といった先祖を供養する行事の方に比重が置かれているため、旧正月の料理は意外とシンプルです。

基本的に、白米と、錦糸卵を浮かべたカツオだしのすまし汁、三枚肉・椎茸・昆布・揚げ豆腐・大根などの具材の入った汁物、野菜の酢の物などです。

一方、先祖供養を行う「十六日祭」の料理は、旧正月に比べて豪華です。メインは、 重箱に料理をたっぷり詰めた「重詰料理」。その中身は、豚三枚肉(バラ肉)の煮つけをメインに、沖縄風の魚の天婦羅、揚げ豆腐、かまぼこ、昆布などです。品数は5品もしくは7品、9品、11品といった奇数にするのがきまりです。

沖縄の旧暦に由来する8つの年中行事

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①旧正月(ソーグヮチ)

旧暦のお正月のこと。糸満市などの漁業の盛んな地域では、現在も旧正月の元旦に大漁旗を掲げるなどして祝います。

②生年祝い(トゥシビー)

12年に1回巡ってくる自分の干支ごとのお祝いが「生年祝い(トゥシビー)」。旧暦1月2日~13日に行われます。例えば、寅年生まれの人は、その年が寅年であれば、「生年祝い(トゥシビー)」を祝います。

③清明祭(シーミー)

沖縄本島中南部を中心に、旧暦の3月に各地で盛大に行われるお墓参りを「 清明祭(シーミー)」といいます。親戚一同が先祖の墓前に集まり、ご馳走を食べながら酒を酌み交わし、先祖を供養します。

④ユッカヌヒー

「ユッカヌヒー」とは、“ゆっか(四日)+ぬ(の)+ひー(日)”という意味で、旧暦5月4日のことを指します。

沖縄各地で航海の安全や大漁を祈願したハーリー(ハーレー)が行われるほか、戦前は、子供の健やかな健康や成長を願って、おもちゃを買ってあげるという習慣もありました。

⑤旧盆

先祖を大切にする沖縄でとても大切にされている行事のひとつが「旧盆」。お盆というと、日本各地で8月15日を中心に行なわれる先祖供養の伝統行事ですが、沖縄では旧暦の7月13日~15日にお盆の行事を盛大に行います。

⑥カジマヤー

「カジマヤー」とは、数え歳で97歳の人の長寿を祝う日で、旧暦の9月7日に行われます。97歳を迎えたおじぃやおばぁは、再生して子どもに戻ると考えられています。

祝い方はとっても派手!97歳を迎えたおじぃやおばぁは、カジマヤー(風車)をもって、オープンカーなどに乗って集落をパレードします。

⑦タンカユーエー

「タンカユーエー」とは満1歳のお祝いのことです。赤ちゃんから少し離れたところに、お金(お金に困ることがない)、そろばん(商売上手になる)、本(賢い子になる)、筆(出世する)、赤飯(食べることに困らない)など意味を込めたアイテムを置き、赤ちゃんに一つ選んでもらい、子どもの将来を占うというものです。

⑧初ムーチー

沖縄では、旧暦の12月8日を「ムーチーの日」と呼びます。沖縄の方言でムーチーとは月桃の葉に包んで蒸かした餅のことで、邪気を払い、子供や家族の健康を願ってお供えします。

特に、赤ちゃんが生まれた家庭で迎える初めてのムーチーの日を「初ムーチー=ハチムーチー」と呼び、ムーチーをたくさん作って、親戚や友人、近所の人たちに配ります。

まとめ

いかがでしたか?沖縄各地には今回ご紹介したほかにも様々な旧暦に沿った年中行事が今も大切に伝えられています。

八重山や宮古などの離島では、沖縄本島とはまた違った伝統行事も受け継がれ、学術的にも貴重な存在になっています。

こうした伝統行事は地域の人たちのものですが、中にはエイサーなどのように観光客でも見ることができるものもあるので、機会があったらぜひ、沖縄の伝統行事を通じて沖縄文化に触れてみてはいかがでしょう。

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