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宮古島の奇祭『パーントゥ・プナハ』豊作円満の神に会いたい!

全国各地に点在する日本の“奇祭”。沖縄県宮古島にも奇祭と呼ばれる奇妙なお祭り事があります。それが「パーントゥ・プナハ」。恐ろしい出で立ちををした“神”が人々を襲うという奇祭であり、これを聞くだけでもゾッとしますが、襲われればご利益があるというのだから有難いお祭りであることは確か。なんでも豊作円満や無病息災のご利益であるとか。

今回は宮古島の奇祭『パーントゥ・プナハ』をご紹介。直前まで告知されず、いつ始まるか分からない奇祭に巡りあえたら相当の幸運!国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統ある島の行事を楽しんでみましょう。

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平良地区島尻集落のパーントゥ・プナハ!

サトウキビ畑

宮古島で行われる「パーントゥ」は、2つの集落で行われる伝統神事です。パーントゥとは、『パーン=食べる』『ピトゥ=人』が合わさった言葉で、その名の通り人を襲いに来る神によって、ご利益を頂くというもの。人を襲うといっても、決して食べられる訳ではありません。巡りあえたら1年の幸福が約束されるパーントゥ・プナハを詳しくご紹介します。

泥だらけの神

パーントゥ・プナハで襲ってくる神は「全身泥だらけ」!毎年集落で決める3人の神が泥だらけの異様な出で立ちをして襲ってきます。その出で立ちこそが“奇祭”と呼ばれる理由のひとつ。つる草を全身に巻きつけ、井戸の底の泥“ンマリガー”を塗りたくり、島に流れ着いてきたと伝えられている仮面を身につけている姿は、不気味そのもの。

ドロのついた体で人々にドロを塗りたくり、大人も子供も、新築の家もパトカーも、なんでも襲ってご利益を与えるという神なのです。もちろんその姿は、皆にご利益を与えるための優しい姿。出会えば幸運、また泥だらけになることも間違いなしの優しい神は、宮古島の奇祭でしか出会えません。

泥を塗るワケ

泥をとる井戸“ンマリガー”は、産湯や死者を清める水として使われていた大切な泉。これは集落唯一の小学校の東側にあり、「産まれ泉」とも呼ばれています。この神聖な泉の泥も同じように神聖なものとして扱われ、悪霊を追い払う力があるとされています。そのため泥を塗られると、悪霊を追い払い、豊作円満や無病息災のご利益を受けられるのです。

島尻集落の青年3人が扮するパーントゥは、集落中を周る前に、ミズマイ(女性神役)によって拝所で祈願をします。メインとなる“泥塗り”の前にも、きちんと伝統ある神事が行われています。しかしながら、古式の伝統を守り抜く島尻集落では、決してその姿を一般公開していません。

パーントゥ・プナハの日程

パーントゥ・プナハが行われるのは1年に1度。旧暦9月(現10月頃)、戊の日から数日以内に開催されます。開催は直前になるまで公開されませんので、宮古島の旅行で偶然にも出会えれば本当にラッキーなのです。パーントゥ・プナハを楽しみたいなら、旧暦カレンダーの9月、戌の日から数日間の旅行へ出かけてみてはいかがでしょうか。

パーントゥ・プナハに参加する心構え

元々は集落内のみでの祭事でしたが、現在は観光客も多く、パーントゥを一目見ようと多くの方が駆けつけます。“優しい神”であるパーントゥですが、過去には観光客がここまでと知らず、「汚された」と苦情を入れたことも…。島尻集落では伝統ある祭事としてこのパーントゥ・プナハを行っていることを忘れずに参加しましょう。

パーントゥ・プナハに参加する時、カメラや携帯電話は鞄に入れるかビニール袋で保護したり、服を汚されたくないならカッパを羽織るようにしましょう。本来ご利益のある泥ですから、追いかけられ、塗りたくられることにこの祭事の楽しさと意味があることをお忘れなく!ただし、泥は相当臭いので、シャワーはお早めに!

島尻集落の人々の楽しみ方

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伝統の神事であるパーントゥ・プナハは、島尻集落で大切に受け継がれてきたもの。パーントゥが現れる夕暮れ時、集落では外で宴会が始まったり、人々は外へ出てパーントゥが現れるのを待ちます。小学生は目を輝かせながら追いかけられるのを期待し、小さなお子さん連れのお母さんは、我が子に厄除けの泥をつけてもらおうとじっと待ち構えます。

「パーントゥが来た!」歩いて現れるパーントゥは、突然走り出します。逃げる人々は追われ、待つ人々のところにももちろんやってきて、襲い掛かるように泥を全身に塗りたくっていくのです。

どこの地域でも、子供にしつけをする時に「(言うことを聞かないと)鬼が来るよ」「おばけがくるよ」などど言いますが、島尻では「パーントゥがくるよ!」と言うそうですから、子供にとっては恐怖そのもの。泣きわめく子も、きょとんとしている子も、幸福を願うパーントゥは泥をちょんっとつけてあげるのだそうです。

パーントゥに出会えなかった時は総合博物館!

宮古島市平良にある「宮古島市総合博物館」では、宮古島の誇るパーントゥ・プナハの様子を展示しています。パーントゥが待っているのは、総合博物館の歴史や民族をテーマにしたフロアである第一展示室。展示室の入口には、パーントゥがすぐ佇んでいます。この下には、パーントゥ・プナハの様子が見られるタッチパネルも用意されています。

また、総合博物館の一繰りには、パーントゥの仮面を模した模型もあり、木彫りでできているので、実際につけてみることができます。きちんと3体分の仮面が用意されているので、見逃せない撮影スポットでもありますよ。

住所:沖縄県宮古島市平良字東仲宗根添1166-287
問合せ:0980-73-0567
開館時間:9:00~16:30(最終入館16:00)
入館料:一般300円、学生200円、児童100円

上野地区野原集落のパーントゥ!

宮古島にもう1つ、パーントゥが開催される地区があります。それが「上野地区野原集落」。島尻地区とは異なり、旧暦12月の最終丑の日に行われます。地元では「サティパロウ」や「サティパライ」「サトゥパライ」などと呼ばれ、“里祓い”の意味を持ちます。同じ宮古島でも形式の異なるパーントゥ、一体どんなことをするのかご紹介します。

泥を塗らない!野原集落のパーントゥ

野原集落のサティパロウは、泥と成人男性は登場せず、男児と女性達だけで行います。パーントゥ役となるのは、小学生の男児。仮面を片手で顔につけ、パーントゥに扮した男児を先頭に、小太鼓、ホラ貝を吹く子供が続きます。その後ろ、悪霊払いの草冠やヤブニッケイの小枝を持った女性達が「ホーイ、ホーイ」と声に出しながら集落内を周ります。

野原集落のサティパロウ

聖地の大御嶽に向かって始まる野原集落のサティパロウは、まず女性が「ニーマガー」と呼ばれる井戸で準備をするところから始まります。草冠と腰巻きをつけ、準備が終わると男児のパーントゥを先頭に大御嶽へ祈願し、女性達が「ウルウルウル」という独特な声を出しながらパーントゥを取り囲み、悪霊を威嚇しながら“始まりの御願”を行います。

集落内を周ったあとは、南西方向にあるサトウキビ畑「ムスルンミ」で、身につけたものを外し、終わりを迎えます。島尻集落のパーントゥ・プナハとはまったく異なる、なごやかな儀式で悪霊を追い払い、厄を落として、次の1年の豊作や健康を祈るのです。

2つの異なるパーントゥ

島尻集落と同じく、国の重要無形民俗文化財に指定されている野原集落のサティパロウですが、パーントゥの仮面以外はすべてが異なる内容です。実際のところ、なぜ形式が異なるのか、どうしてこの奇祭が生まれたのかはハッキリしていません。

野原集落のサティパロウはインドネシアやミクロネシアの祭りに似ているとされていますが、偶然であるのか、それとも伝来してきたものなのかも不明のままです。しかし、どちらの集落でも伝統ある神事・祭事としてパーントゥを受け継いでいます。世にも珍しい奇祭は、今後も永く続く伝統として受け継いで欲しいですね。

宮古島の奇祭『パーントゥ・プナハ』!

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いかがでしたでしょうか。今回は、宮古島の2つの集落で行われる奇祭、パーントゥ・プナハについてご紹介しました。日本各地に奇祭は存在しますが、南国の香り漂うお面をつけた奇祭は、ここ宮古島だけ。ぜひ一度、宮古島を訪れてパーントゥ・プナハを目にしてみてはいかがでしょうか。

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