Home / 沖縄観光 / 宮古島 / 下地島 / 【下地島「帯岩」の楽しみ方】明和の大津波の歴史を感じる歴史スポット

【下地島「帯岩」の楽しみ方】明和の大津波の歴史を感じる歴史スポット

「帯岩(おびいわ)」は、2019年4月1日に開業した下地島の「みやこ下地島空港ターミナル」からほんの目と鼻の先にあるスポット。

高さ12m以上もの巨大な岩が、周りに何もない場所にたったひとつだけ、どっかりと腰を据えているため、一体この「帯岩」はどこからやってきたのか?空から落ちてきたのか?と不思議に思います。実はこの不思議な巨岩「帯岩」は、250年前の大津波によって運ばれてきたもの。

本記事ではこの不思議な「帯岩」へのアクセス方法やその歴史について詳しくご紹介します!

スポンサードリンク

下地島の大津波を今に伝える「帯岩」の基本情報

帯岩(おびいわ)は、宮古空港から車で約30分ほどのところにある下地島(しもじじま)にあります。250年前に起こった明和の大津波によって運ばれてきた津波石といわれ、日本各地の津波石の中でも最大級の大きさです。

この帯岩は、多くの島民が犠牲になった明和の大津波の痕跡を今に伝えるとともに、長い時間を経て、島民たちが航海の安全や大漁祈願、家内安全を祈る信仰の場にもなっています。

下地島の帯岩とは

下地島の西海岸にどっしりと鎮座する帯岩。高さ12.5m、周囲59.9mという巨大さで、重さは推定でも数十トンを超えるといわれています。

帯岩という名は、岩の中央が少しへこんでいて、人が帯を締めている姿にたとえたことからつけられたそう。この帯岩を見て、人が帯を締めている姿を想像するなんて、島の人はとっても想像力が豊かなんですね。

宮古島の方言で、帯石は、“大きな帯をした岩”という意味の「オコスコビジー」と呼ばれています。

下地島の帯岩と明和の大津波の関係

帯岩はなぜ、海岸から数十メートルも離れた小高い丘の上にあるのか?

それは、帯岩は、1771年(明和8年)に八重山地方を襲った明和の大津波によって打ち上げられた津波石だからです。帯岩は日本の津波石の中でも最大級の大きさを誇ります。

余談ですが、1771年は、日本史的にみると江戸時代。田沼意次が老中となるちょうど1年前となります。

さて本題。1771年4月24日午前8時ごろ、石垣島の南南東35km付近でマグニチュード7.4、震度4程度の地震が起きました。地震のゆれによる被害はほとんどなかったようですが、地震の規模に比べ大きな津波が発生したことで、石垣島や宮古島ではたくさんの人が命を落としました。

明和の大津波の前後で八重山地方の人口を比べると、大津波前は3万人弱だったのが、津波後には、2万人ほどに減ってしまったといわれています。

さらに津波によって田畑が海水につかったことで食料不足になり、飢饉や疫病等の2次被害で、1万人にまで減ってしまいました。

では、下地島にはどのくらいの大津波が押し寄せたのでしょうか?

帯岩のある立地から想像してみましょう。帯岩の後側には高さ15mほど崖があります。…ということは、高さ12.5m、重さ数十トンの帯岩を15mの高さまで持ち上げた強力な力をもった大津波であったと考えられます。つまり、15m以上の大津波だったのではないかということです。

下地島の帯岩へのアクセス・行き方

帯岩のある下地島は、宮古列島の島のひとつで、宮古島市に属します。2015年に「伊良部大橋」が開通したことで、宮古島から車で行けるようになりました。宮古空港から帯岩までは車で約30分ほど。

空からのアクセスを見ると、2019年3月30日にLCCジェットスターが24年ぶりに「成田空港⇔みやこ下地島空港」定期便を就航させることになり、さらに、2019年7月3日には「関西空港⇔みやこ下地島空港」便の就航も決定しました。そんな宮古島の新たな空の玄関口、みやこ下地島空港から帯岩までは車で10分の距離です。

  • 宮古空港から車で約30分
  • みやこ下地島空港から車で約10分

ここでひとつ最新情報。2019年4月1日には、「みやこ下地島空港ターミナル」が開業。海ブドウのプチプチ食感が楽しいサンドイッチや宮古産ハイビスカスのソフトクリームなど、地元食材を使った飲食を提供するカフェや、宮古そば、ワンプレートメニュー、定食、おつまみ、アルコールが楽しめるレストラン、宮古諸島ならではのお土産を取りそろえたショップや免税店などの施設もあります。

下地島の帯岩の魅力と楽しみ方

帯岩は、たくさんの島民の命を奪った大津波が残したものですが、長い年月を経て、この巨石は、島民たちの信仰の対象になっています。

帯岩の前には赤い鳥居が建てられ、島民たちは、航海安全や家内安全を祈願しています。青々と草木が茂る中に巨大な帯岩が鎮座する様子は、どこか“スピリチュアル感”も漂っています。

帯岩の迫力

帯岩を実際に目の前にすると、“この大きな岩”を動かした大津波の威力を想像し、思わず絶句します。

250年前に起こった明和の大津波の痕跡を今に残す、この帯岩に思いを馳せ、重さ数十トンの巨石をも動かす大自然の威力をあらためて実感してみてはいかがでしょう。

津波よけを願う伝統祭祀「ナーパイ」

宮古島の城辺砂川(ぐすくべうるか)地区には、「ナーパイ」と呼ばれる津波よけと五穀豊穣を願う伝統祭祀があります。開催するのは毎年旧暦3月の初酉の日。

その起源ははっきりしませんが、1771年の明和の大津波以前の書物にも記録が残るほど古くからある行事です。

「ナーパイ」では、集落の女性たちが上比屋山(ウイピャーヤマ)の頂上にある御嶽(ウタキ)で、祈りをささげ、「ユナウスピャーシ(世直しのはやし)」という神歌を歌います。御嶽とは、沖縄地方独特の神を祀り、祈りをささげる聖地のこと。

御嶽で神歌を歌った後、女性たちは下山し、“ここから先に津波が来ないように”とお願いしながら集落の各所に、ダティフという竹に似た植物を地面に差していきます。一方、男性たちは棒を上下させ、舟をこぐ動作をしながら歌を歌い、津波よけと五穀豊穣、航海安全の祈りを捧げます。

「ナーパイ」が”縄を張る”という意味からも、集落を津波から守るセーフティエリアを、女性たちの祈りによって作っているような感じがしますよね。

帯岩と下地島空港建設の関係

帯岩の近くに下地島空港が建設されることになった際、島内に数多くあった津波が運んだ津波石は破壊され、その岩塊は空港建設に利用されたといいます。

しかし、当時の島民たちの要請で、ただひとつこの帯岩だけ残すことになりました。島民たちは、先人たちの経験した過去の大災害を未来に伝えて行きたかったのかもしれませんね。

佐和田の浜からみれる津波岩

帯岩から車で5分ほどのところにある伊良部島の「佐和田の浜」。1996年にその美しさと海の透明度の高さから「日本の渚100選」に選ばれたビーチで、夕日の美しいスポットとしても知られています。

しかし、この佐和田の浜は、他のビーチと少し趣が異なります。

見通しのいい平らな浜では、帯岩ほどはいかないまでも、大きな岩がゴロゴロと転がっている不思議な風景が楽しめます。

佐和田の浜の大きな岩も、実は、1771年の明和の大津波によって運ばれた津波石だといわれています。そのため、ふつうの浜とは違い、大きな岩が無造作に置かれた、スケールの大きな箱庭のようになっています。

よりその不思議さを感じたいなら、潮が引いたときに訪れるのがおすすめです。

  • 住所/沖縄県宮古島市伊良部佐和田1725
  • アクセス/みやこ下地島空港から車で5分

下地島の帯岩まとめ

帯石は、250年前の明和の大津波の爪痕を今に残す貴重な歴史スポット。帯石を目の前にすれば、写真では伝わらない迫力に圧倒されます。この大きな岩が津波という自然の力で運ばれたことにかなりの衝撃を受けることでしょう。

帯石を訪れた後は、佐和田の浜の美しい夕日と岩がごろごろとした不思議な景観をゆっくりと眺めるのがおすすめです。ぜひこの記事を参考にして、帯岩と佐和田の浜の自然が造った独特な風景に出会いに行ってみてくださいね。

スポンサーリンク