沖縄は日本でありながら、使う言語や地名の読み方が独特ですよね。それが旅行者にはちょっと難解で困ることでもあります。
しかし、旅行前にある程度予習しておいて旅行に行ってみると現地の人との会話が弾んだり、親近感が増すかもしれません。
沖縄がかつて「琉球王国」であったがゆえに独特の言葉は生まれ、現在では、沖縄の言葉はユネスコにも登録されている程の貴重な言語なのです。
今回は、挨拶や感嘆詞など、旅先で使える沖縄の言葉を9つ紹介します。沖縄旅行を考えている方も、そうでない方も是非本記事を読んでみて下さい。
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Contents
うちなーぐちとは
そもそも「うちなーぐち」とは何を指すのでしょうか?まずそこからご紹介しましょう。

うちなーぐち=沖縄の方言
沖縄の方言で沖縄のことを「うちなー」と言います。「ぐち」(=口)は方言という意味です。しかし、厳密には方言としてというより「沖縄でよく聞く言い回し」くらいのニュアンスのようです。
沖縄の言葉はどことなくほっこりしていて、和みますよね。ちなみに沖縄方言のことを「うちなーぐち」というのは沖縄に住んでいる人で、外部の人が「うちなーぐち」とは言わないようです。沖縄に住んでいる人が自分たちの言葉を謙遜しているようなニュアンスですね。
今、どれほど話されているのか
近年では、沖縄に移住する本土の人も多いので、必ずしも沖縄に住んでいる人がうちなーぐちを使うとは限りません。しかし、移住組の人も「うちなーぐちを使うようになれば、あなたもうちなんちゅー(沖縄人)の仲間入りさー」と言われているようです。
うちなーぐちが簡略化している近年では、旅行者でも沖縄の人の言葉が聞き取りやすいと言われていますが、古くから沖縄に住んでいるおじいやおばあの言葉はやはりわかりにくいようです。
イントネーションに気を付けて!
沖縄の言葉を聞いていると、アクセントの上下が激しいなと思われる方も多いようです。たとえば「ありがとうございます」でも女性などの場合「と」にアクセントがあります。「ヒートテック」でも「テ」にアクセントがあります。
比較的平坦な標準語などに慣れていると「おかしなところにアクセントがあるな」と思われるかも知れませんが、関西地方以西の方は、方言にアップダウンが激しいので、それほど違和感も感じないようです。
沖縄の方言の基本的な知識

それでは「うちなーぐち」の基本的な特徴を見ていきましょう。
母音が「あいういう」
沖縄では母音が「あいうえお」ではなく、「あいういう」と発音します。
もちろん、書き言葉は「あいうえお」なのですが、発音が「あいういう」になってしまうのです。
県の全体を通じて地域で異なる
「うちなーぐち」は沖縄本島と石垣島、宮古島では他の言語かと思うくらい違います。また沖縄本島の中でも、南部と首里、那覇、沖縄中部、沖縄北部で発音が微妙に違います。そのため、せっかく覚えていったうちなーぐちもあまりわからなかった、と混乱する旅行者もいるようです。
あいさつ編
ではまず、「うちなーぐち」のあいさつ編から!基本です。
めんそーれ
「めんそーれ」とは、沖縄にそれほど詳しくない人も知っている言葉で「ようこそいらっしゃいました」の意味です。ホテルや空港、観光センターなどでもよく聞こえてくる言葉です。帰る時はまた来てくれることを願って「また、めんそーりよ」といいます。
ちなみに「めんそーれ」は石垣島では「おーりとーり」、宮古島では「んみゃーち」と全く違う言葉になります。沖縄と石垣島は近いようで400km近く離れていますので、言語もこのように変わって来るようです。ちなみに石垣島は台湾までは270kmほどしか離れていません。
はいさい・はいたい
沖縄の音楽でも「はいさいおじさん」という曲がありますが、本土でもよく耳にするうちなーぐちです。
しかし本土の人では、意味まで知っている人はそれほどいないのではないでしょうか?「はいさい」または「はいたい」は、こんにちは、という意味で、男性が「はいさい」、女性が「はいたい」と言います。
この「はいさい」「はいたい」は、もともと琉球王朝の平民の言葉です。そのため、俗に言う「タメ口」となりますので、現在でも社員が上司に使ったりすると、むっとされる場合があります。
ちゅーうがなびら
「はいさい」「はいたい」は親しい人に対して使う言葉ですが、「ちゅーうがなびら」は目上の人に対して、またはあらたまった席で使う言葉です。「ちゅー」は今日、「うがむん」が拝むで、ストレートに言うと「今日、お目にかかります」という意味になります。
にふぇーでーびる
まるで外国語のように難しい沖縄弁=うちなーぐちですが、「にふぇーでーびる」は「ありがとう」という意味になります。
最大級の感謝には「いっぺーにふぇーでーびる」となります。ホテルや民宿のスタッフ、マリンスポーツのインストラクターなどにお世話になった時は、うちなーぐちで感謝を述べてみましょう。ちなみに「にふぇーでーびる」には過去形もあり「にふぇーでーびたん」となります。
また、石垣島では「にーふぁいゆ」、宮古島では「たんでぃがーたんでぃ」と全く違う語になります。
くゎっちーさびらー・くゎっちーさびたん
今では若い人はあまり使わないそうですが、「くわっちーさびら」は、いただきますの意です。「くわっちー」とは、ごちそうの意味なのです。
また、「くゎっちさびたん」は、過去となるので、「ごちそうさまでした」を表します。「ごちそうさま」が「いただきますの過去形」という発想が面白いですね。
感嘆詞編
感嘆詞にも沖縄独特のものがあります。どういった言葉があるのでしょうか。
あきさみよー
使用頻度が5段階中4。非常によく使う言葉に「あさきみよ」があります。
「あきさみよ」とは、「大変だよ~」という意味。あまり聞きたくはない言葉かも知れませんね。でももっと軽い、英語の「オーマイガーッ」のような、シーサーを誤って壊した、サーターアンダーギーを作るのに失敗した、石垣島までの連絡船に乗り遅れたなどの時にも使います。
また、「あきしゃびよー」「あぎじゃびよー」という人もいます。
やっさー
「あさきみよ」よりは使用頻度が下がり、5段階中3の「やっさー」は、相手の言うことに相槌を打つ言葉で、主に男性が使います。「○○だね」と言われて「やっさー!」のように使います。このことば単体で、「そうだな!」「そのとおり」などの意味を持っています。
また、強く同感するときは「やさやさ!」と2回繰り返すことでぐっと意味が強くなります。
でーじ・いっぺー
いっぺー、のほうが本来のうちなーぐちで「でーじ」はその後言われるようになった言葉。意味は「大変」「超」という若者言葉です。「いっぺーちゅらかーぎー(美人)!」「でーじ なとっさー」(大変なことになっている)のように使います。
また、でーじやいっぺーが「超」だとすると、「メガ」を表すのが「しに」という言葉になります。
だからよー
だからよー、は沖縄でなくても日本全国使うような気がしますが、この言葉は「か」にアクセントがあるのが沖縄独特です。老若男女問わずにもっともよく使われる言葉だと言っても過言ではないかも知れません。
意味としては、相手の発言に対して相槌を打つ感じで使います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本土の人には少々難解な沖縄方言=うちなーぐちですが、沖縄旅行の際には覚えていけば現地で意外と使うタイミングがあるかもしれません。
もともと沖縄には「一度いきあえば、兄弟」という言葉があるように、観光地化されていると言っても非常に気がよく面倒見のいい人が多いため、沖縄の外からきた人がうちなーぐちを使うことにいたく感激してくれるかもしれません。
しかし、観光客がうちなーぐちを使ってくれると喜んでいる人がいる一方で、伝統ある沖縄方言=うちなーぐちを、よその人が軽々しく使ってほしくないと思っている人もいるようなので、間違った使い方などをすると、気を悪くさせてしまう恐れもあります。
そこで沖縄に行ってうちなーぐちを使う時も、あまりこみ入った話につかうのは避け、まずは相槌をうつ、またはあいさつなどで使ってみるのがおすすめです。また、言い方のポイントは、標準語のようにはっきり発音するのではなく、ふんわりと発音してみるとそれっぽく聞こえるようです。是非試してみてください。
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